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■Index
1フランス車は合理的
2フランス車は強い
3フランス車は疲れない
4フランス車は酔いにくい
5フランス車は速い
6フランス車は美しい
7フランス車は楽しい
8フランス車はココがヘン
僕と友の車たち
オススメフランス車
本国のクルマ写真館
フランス車はスゴイ(1)
フランス車は合理的
>>まずは合理的だということから考えてみたいです。この国の製品の合理主義は類を見ません。そしてその主義から生まれる発想もまた、徹底した合理主義を反映したものとなっています。ここでは、フランス車の設計のなかで最たるものといえる2CVを主な例に話を進めたいと思います。いろいろとオドロキの部分ばかりなので、すべて書ききれないけれど・・・。
>>右の写真はシトロエン2CVのシャーシ。この2CVというクルマ、フランス人でないと思いつかないほど、合理的な設計になっています。車輪のバネはなんと前後で引き合う(なので、車体は結果として水平に保たれる)、エンジンは部品点数が少なくて、簡潔なフラットツイン。でもアルミ製で、なんとガスケットなしで組み付けてある精度の高さ。車体は安普請でも、エンジンや脚回りには惜しげもなく技術や資金を投入しています。
>>シートは鉄パイプにゴムを吊っただけ。ボンネットは一枚板を曲げて強度を出しただけ。窓は下半分を上に跳ね上げるだけ。でも、シートは最高の乗り心地で、ボンネットはそれでもきちんと用をなし、窓は涼風を車内に運びます。左の写真を見て下さい。広い室内がよくわかると思いますが、なんと2CVはデビューしたときわずか375CCでした。でも数クラス上のサイズの車体で、広い室内と荷室を持っていました。最小の仕事量(エンジン)で、最高の結果(車体)を、という無駄のない合理的な発想によるものです。その後エンジンは425CC、602CCとなりましたが、それ以上には増えませんでした。たしかに602CCの2CVは、(なんとか)必要充分な性能だ思います。
>>このように、彼らは、最低の部品点数で、最良の結果を出すことに腐心してきました。そして、それは確かに達成されているように思います。子細に見ていきますと、ほんとうに「よくもまあこんなに簡単に考えられるものだ」と驚くことしきりです。2CVだから、安クルマだから部品が少なくてあたりまえというのはわかります。でも、だからこそ、2CVであるからこそ
(究極的にシンプルに作る必要があった)、仏蘭西的な合理性あふれる設計に触れることが出来るのでしょう。日本にも黎明期は簡潔なクルマは多数有りましたし、いずれも独創性を持っていました。ですがフランス合理主義にかかると、「こういう方法があったのか」と驚かされるのです。
>>右上は2CVの窓です。わかりにくいかも知れませんが、窓の真ん中の黒い部分を境に、下半分が上に開きます。それだけです。簡単な窓では他にスライド式などもありますが、この跳ね上げ式窓は、とっても簡単な設計です。
>>左はボンネットのヒンジのアップです。通常、ヒンジはボンネットやボディとは別に、左右で一個ずつ付くのが普通です。スバル360でさえ、ヒンジはちゃんと別パーツになっています。ところが究極の合理主義車2CVにおいては、ヒンジすらも「えええ!」って方法で対処しています。ご覧の通り、ただの曲げ鉄板をオスメス(?)でかみ合わせているだけ!この方法ですとボンネットは横から引き抜けば外れてしまうので、メンテも簡単ですね。
>>左はパナール(Panhard)CDというスポーツカーです。なんと800CC程度で200キロを出しました。フランスの合理性を語る上では、こういったスポーツカーの話も忘れてはなりません。それはまったく合理的な(ケチとも揶揄される)話だからです。・・・60年代のルマン24時間レース。大排気量でパワーを稼ぐ単純なアメリカンエンジンと、精緻な技術で速さを競うイタリアンエンジンの競争でした。ではご当地フランスは、といいますと、「いかに小さなエンジンでいかに速く走れるか」という発想になってしまうのです。熱効率指数賞というタイトルがあり、それを狙っていました。そこにはフランス車のスポーツカーづくりの特殊性が見えるのです。ふつう、パワーが欲しければ、排気量を増やすか、車体を軽くします。イギリスの伝統的なスポーツカーはその公式にのとっています。ところが!フランスは、排気量を増やす方向には行かず、逆にエンジンが小さくなるのです。つまり、効率、合理性をそこにも求めるのです。だからフランスのスポーツカーに、大排気量、大パワーのクルマは生まれにくいのです。
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