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■Index
1フランス車は合理的
2フランス車は強い
3フランス車は疲れない
4フランス車は酔いにくい
5フランス車は速い
6フランス車は美しい
7フランス車は楽しい
8フランス車はココがヘン
僕と友の車たち
オススメフランス車
本国のクルマ写真館
フランス車はスゴイ(6)
フランス車は美しい
>>イタリアのような直感やヒラメキがもたらす曲線の美しさはありません。スウェーデンのようなモダンなデザインでもないです。でも、フランスには、機能がもたらす究極の美があります。まるで、機能が造形を司っているかのように。そこにさらに仏蘭西的な美意識が合体され、単なる機能性部品だけにとどまらない「美」を醸し出すていると思います。

>>DS。1955年にデビューし、当時で「20年先を行くクルマ」と評された、革新的な一台です。彫刻家であったフラミニオ・ベルトーニの作であるがゆえか、美しい造形を誇りますが、このクルマの美しさは、そういった「芸術家的ひらめき」や「センス」だけではないのが興味深いところです。

>>尻窄みの全体のスタイルも、フロントのワイドトレッド化による直進性向上のため。独特の屋根の造形も、応力を受けずに済む車体設計が生んだ造形。枚挙にいとまが無く、DSはこのように「機能」や「構造」が造形になっている部分が多く見られます。いえいえ、フランス車はおおむねそうでした。2CVもまた、それの最たるものといえるでしょう。

>>2CV。他の項目でも<フランス車そのもの>として紹介していますが、前述の如く、このクルマこそ機能がカタチをつくる究極的な姿の一台です。ヘッドライトは凝らずとも機能するのでむき出しのまま。メーターと棚だけのダッシュボード。強度が必要なら曲げ、そうでなければそのまま平板。枚挙にいとまがありません。

>>機能だけでデザインはされない。その例が、プジョー+ピニンファリーナの合作ともいえるクルマ達です。フランスの合理性と、イタリアの芸術的デザインがコラボするのですから、素晴らしい<作品>になります。熟成に熟成を重ねるフランスのメカニズムと、何年たっても色褪せない魅力をもつピニンファリーナのデザインですから、例外なく息の長いモデルになりました。下は404。アメリカン風デザインですが、プジョー史上でももっとも美しい一台に数えられています。1960年から1975年までの長きに作られました・この後継の504も同じくピニンですが、こちらも15年作られました。

>>スポーツカーもフランス車にかかれば、あっさりとした造形のモダーンスタイルになってしまいます。虚飾に意味を見いださない彼らですから、必要なものだけつけて、あとは造形的にデザインを施すのみです。機能さえすればいいので、ランプなども(回りの造形との整合性が無くても)他のクルマから流用したりします。

>>上左はアルピーヌのスポーツカー、A310です。初期型はこのように至極プレーンでした。リアの大きなマスがリアエンジンであることを主張していますが、同じRRのポルシェや、同時期のdinoに比べて、なんとオーラのないスタイルでしょう。アルピーヌがこんなにクリーンでスポーツカーらしい熱さを感じさせないのは、次の「V6」(上右)においてさらに昇華します。ポルシェが派手にフェンダーを膨らませても、アルピーヌは飾り気のまったくない「クリーンな造形の美しさ」を持っていました。

>>フランスの多くの人はは本質的にクルマに対しては、夢も幻想も求めていませんでした。そこにあるのは「生活に密着した単なる移動手段」でしかなかったのです。快適にある地点からある地点へ、大量の荷物と人を乗せて、しかも限りなく快適に、しかも少ない燃料で移動できさえすれば。その機能が優れていれば、華美な装飾も要らなかったのです。つまりフランス車には、合理主義に根ざした機能性が求められました。ですから、フランスのクルマは徹底的に機能性が重視されています。その機能を実現するために生まれるデザインが、フランス独特のテイストに彩られて、一種の世界観を持っているのでしょう。これを美しいと見るかアグリーであると思うかは人それぞれですが、少なくとも僕は、機能から生まれた必然の姿に、大きな「美」の意識を感じずにはいられません

>>最後にシトロエンH(アッシュ)バンを。これなど合理性や機能性がほとんどエゴのように全面に押し出された好例?です。FFによる驚くほどの低い床、車体強度を出すために車体は波板。ディテールのためのデザインは一切無く、ただ機能の必然がデザインを決定しています。FFなのでシャーシの延長も容易。この後継車であるC25をはじめとして、プジョーJシリーズ、ルノーエスタフェ・マスター・トラフィックにいたるまで、ほとんどがFFというのもフランスらしいところです(さすがに2t以上くらいからFRになりますが)。
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