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オススメフランス車
アルファロメオ アルファスッド1.スーパー 1982 5MT >>生き様を見せつけろ 1993.12〜1994.6頃
>>アルファが欲しかった
実のところ、フランス車に乗る前はイタ車に心底憧れていた。とくに、アルファ。もう欲しくて欲しくて(いやな高校生だな)、免許あってお金があったら迷わずジュリアのベルリーナを手に入れようと思っていたほどだ。とりあえずルノーに乗るようになったけど、やはりその思い消えることなく、これまた突然、願いは叶うことになった。大幅に違うカタチで(爆)。

>>念願のアルファオーナー
ある自動車屋。長野県。1993年秋。後輩とビートに乗って出かけたプチツーリングの道中。その店にそれは居た。1982年式、アルファスッド1.5スーパー。銀。スッドは知っていた。でも興味はあまりなかった。しかも、4ドア、角目なんて、日本にあったんだぁ!店の人は車検代で譲ってくれるという。興奮をおさえじっくり見る。噂通り(w)、サビが非道い。でも、夢に見たアルファがそこにある。しかも格安、手が届く。ボロでもスッドでも何でも良い。アルファに違いはないのだ。

>>暖房が効かない
何故か引き取りは下仁田だった。12月も終わる寸前のことだ。ウキウキの初ドライブだったのに、家までの帰り道だけでこのスッドの欠点がいきなり露呈した。引き取りの時に、ファンは回りっぱなしだから、と聞いてはいたが、そのせいで激しいオーバークール。これでは冬過ごせない。空冷エンジンかよ・・・。帰宅翌日、早速ファンの配線を運転席に引き直し、トグルスイッチでファンを自分でON-OFF出来るように改造した。

▲積雪時にははインボードブレーキにユキがはさまり、ブレーキを踏むとゴリゴリ鳴って驚かされた。立川市砂川、旧五日市街道にて。1994.2。
▲今は懐かしい旧小田急車との2ショット。今やあり得ない風景。富士急線沿いにて。1994.1。
>>水温計がない
そう、無いのだ(W)。ワーニングはある。でも点灯したとたんにオーバーヒート温度というシロモノ(爆)。意味無いやないか。なので手動ファンのオンオフは、「そろそろかな」というアバウトさ・・・。でもヒーターは効かずじまいでした。

>>とにかく、ボロだった
なによりボディは朽ち果てる寸前だった。お約束とも言えるサビ。とくにボンネットまわりが非道く、ボンネットをバン!と閉めるとボンネット内の鋼板がサビと一緒にごろっと落ちる始末!バンパーの表面はカスカス。ウインドウレギュレータは作動が渋い。そしてトドメ。運転席のドアキャッチが壊れ、走行中にカーブでベローンとドアが開いた!

>>低すぎるクオリティ
年式こそ80年代だが、クオリティの低さ、出来の悪さは噂以上だった。アルファを失墜させただけのことはある(W)。実用車として抜群の設計なのに、当のイタリアでさえ直さずに捨てる車であるという話には説得力がある。発電系が弱い。ヒーターが効かない。つまらん部品が壊れる。要はそういう部分で使い勝手が非道すぎるのだ。まるで古いスーパーカー並みの扱いを要求するのだから。

>>でも、たぶん世界一のパッケージ
スッドは4M無いボディに信じられないくらい広い車室を実現している。窓が切り立ってドアが薄い時代だからなのだろうけど、それにしてもリアのレッグスペースの広さは特筆ものだ。間違いなくセルシオより広かった。断言する。

▲リアハッチは開けたあとこうしてボディに置くだけ(W)おおざっぱ。横川にて。1994.3。

アルファスッド1.5スーパー  はこんなクルマ
FIATが民営で走りのイメージが強いALFAが国営なのがいかにもイタリア。ところでイタリアは南北での経済格差が大きく、南部の近代化が急務だった。そこで国営のアルファに白羽の矢が立てられ南部ナポリ近郊に工場が造られた。そこで生産されるアルファは「アルファの南=ALFASUD」と命名され、華々しく登場。1971年のことである。しかしもとより「働かない」南部イタリア人の気質からか政府が思うように生産は上がらず、むしろ品質の低下が非道くなっていき、しまいにはアルファ自体の信用を失墜させた。クルマ自体は今なお語り継がれる小型車の傑作で、スバル1000を模範としたとされるフラット4のFF、インボードブレーキの採用などよる素晴らしい操縦性と、天才ジウジアーロデザインの優れたパッケージングを持つ。4ドアのスーパーは、1981年にマイナーチェンジしたあとの上級モデル。日本にはスポーツバージョンのTIの輸入がメインだったので、スーパーは大変稀少。なおスッドは後にALFA33にモデルチェンジ。その後のヒット作、145〜147へと進化した。
▲寒い日は暖房の効かないスッドには大変だ。アサイチなどはデフロスタはほとんど効かないので、凍った窓はお湯をかけるしかなかった。氷点下の朝。静岡市にて。1994.2。
>>聖エンスー氏が絶賛した脚回り
銀色の1.5スーパーはかの小林彰太郎氏所有のと同じ仕様。当時のCG誌の「タイトベントを駆けめぐる時は夢のよう」という記事に誇張はなく、マイボロスッドも痛快な乗り物だった。インボードブレーキによるバネ下の軽さ、極限まで低く押し込んだフラット4による低重心レイアウトがもたらす、中速コーナーなどでのノーズのスパっとした凄まじいキレ。官能的なとしか表現できない、アルファ・サウンド。ボロでも、スッドでも、FFでも、アルファに間違いはなかったのだ。

>>背中の暖まる椅子
イイ椅子は座っているウチに背中がほんわりと心地よく暖かくなってくる。汗をかくというのではない。このスッドの椅子がそうだった。ソフトで大きめの椅子。無闇に柔らかくはなく、芯で受け止めつつ身体を自然体にいなす感じがある。
この類の椅子に座ると、腰が気持ちよく、まるで半身浴をしているかのような暖かさになるのだ。腰が喜ぶ椅子。

▲右ハンドルなのが正規輸入のアルファらしくて好きだった。如何せん、運転席ドアキャッチが弱くてドアが走行中開くのには閉口した。高架前の上田駅にて。1994.3。
>>ブレーキが抜けた
順調に距離を伸ばしていたスッドだったが、或春の日いきなりブレーキが「スカッ」という感触になって慌てた。家へ帰って見れば、ブレーキフルードがダダ漏れしてた。キャリパーから。キャリパーから???なんて非道いクオリティ。

>>そして終焉へ
武蔵村山に越してきたガレージ33というアルファ専門店に積載車で持ち込んだ。親切なお店の方の診断に依れば、「スッドはキャリパーのオーバーホールが出来ないので交換、ローターも交換」とのこと・・・。30万コース。オーバーホール不可、ローターが減りやすいなんて、そんなんアリですか(泣)。当時、大学卒業後に行きたかった専門学校の学費を貯めるべくガムシャラになってお金を貯めてもいた自分に、修理費は捻出不可能。いつかの復活を期して、僕のボロスッドは家の車庫の奥に眠ることになったのだった。でも一向に直す気も起きず、お袋にはジャマジャマと言われ続けたので、遂に94年盛夏、廃車した。
約4000キロ乗った。まあ、よく乗ったと思う。それに、少なくとも、僕らの心の中に、一生忘れ得ぬ強烈な印象を叩き込んでいったクルマであることは間違いない。それは、僕らの目指す方向が見つかったということでもあった。「気取らず、飾らず、面白いクルマに乗って楽しもう」という・・・。それこそが僕らの「生き様」なのだと。
指さされるほどボロいクルマ。でもそれがどうした、という「生き様」。何も考えずに、友と爆笑しながら乗るボロクルマというスタイル。なかなかのものだったと思う。

SPEC
全長*全幅*全高:
3590*1590*1365・
ホイールベース:2410・
車重:890キロ
エンジン:1490cc F4 OHC
最高出力:85ps/5500rpm

最大トルク:14mkg/3500rpm

生産国:イタリア
スペックは1981年式
▲町田の某アルファの店にて。偶然、超稀少なスッドスーパーが集まった。驚いた。フロントフェンダー先の大穴に注意。1994.1。
●写真は特記以外はすべて本人撮影。
▲かわいいリアエンド。排気音は最高だった。トンネルでは、わざわざ窓をあけ、反響音を楽しんだ。バンパーはカスカス。ツメで文字が書けた。横川-軽井沢間にて。1994.3。
▲ふっかりとした椅子。相当いい。椅子に座って、背中がじんわり暖かくなったことありますか。それはイイ椅子の証拠です。大きなステアリング、狭いペダル配置に注目。自宅にて。1994.6。
右:小さな写真でわかりにくいけど、リアシートの足下回りの広さに注目して欲しいのです。
1994.6
▲ブレーキが抜け、自走不能に。ドナドナで武蔵村山にあった頃のガレージ33へ回送の図。哀し杉。自宅付近にて。1994.6。
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