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■Index
1フランス車は合理的
2フランス車は強い
3フランス車は疲れない
4フランス車は酔いにくい
5フランス車は速い
6フランス車は美しい
7フランス車は楽しい
8フランス車はココがヘン
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オススメフランス車
本国のクルマ写真館
フランス車はスゴイ(3)
フランス車は疲れない
>>「車の運転は疲れる」という人の話を聞くと、フランス車を勧めたくなっちゃいます。全く疲労しないわけじゃないですが、とにかく本当に疲れにくいんです。それは何故なんでしょう?では逆に、疲れるのは何故?
>>左の写真は、いかにもシトロエンらしいショットです。一度エンジンに灯が入れば、地の果てまで走り続ける、そんな姿。シトロエンXANTIAで地の果てまで行けそうだと思ったことはほんとうにあります。狭い島国日本ではかないませんが、もし陸続きでお金さえあれば、どこまでも行ってみたいと。なぜそう思えるのでしょうか。それは、疲れないから、という要素もあるでしょう。

>>そうなのです。フランス車は、疲れません(最近はそう言い切れないクルマもあるようですが・・・疲れにくいことは確かでしょう)。・・・疲れない!って言い切ってしまうとアレですからソフトに言えば、限りなく疲れにくい、とでも言い換えておきます。疲れないはずはないので(W)。でも、その程度が小さいのですね。

>>逆に考えてみましょう。何故疲れるのか。この「疲れさせる」要因というのはいくつもあって、それが複合的に絡み合って(時には増幅し合って)疲労の原因となると思います。まずは身体が接する、いちばん大切な部品「シート」。僕はあえて椅子って呼びますけど、これがおざなりだと、ほとんどの疲労の理由を作ってしまいます。

>>仏車の椅子は背もたれにバフっと埋まって猫背で身体の体圧を四散してまったり乗るのというイメージ。柔らかい椅子は良くない、酔うと思っている方も多いと思うけど、それは無闇に柔らかいだけで、芯で受け止めてくれていないのです。フランス車の椅子は、芯で受け止めつつ身体を自然体にいなす感じです。

>>これが不思議なことに、座っているウチに背中がほんわりと心地よく暖かくなってくるのですね。汗をかくというのではなく。この類の椅子に座ると、腰が気持ちよく、まるで半身浴をしているかのような・・・。

>>では逆に悪い椅子とは。それは、「どこかに負担がかかる状態を身体に与える椅子」であると思います。フランス車の椅子は、前述の通り身体の重さを点ではなく面で、背もたれと座面で四散させるので重さが集中しにくい。ところが国産の多くの椅子は、たとえば上半身の体重が全部腰にのっかったり(考えただけでイタイ)、無用なランバーサポート(腰を前にぐいっと押し出すアレです・・・)のせいで腰椎に負担がかかったり、背もたれと座面の柔らかさのバランスが悪かったり、お話にならないほどクッションが薄かったり、柔らかいだけで身体が落ち着かなかったり、とまあ散々だと思います。高級車クラスに至っても、ついぞ「ああ・・・(快感)」と感動した椅子に会ったことがないのです。ダメ椅子の具体的な感覚としては、「パンツのゴムが股に食い込む椅子はダメ」と思うのですが(汗)。余計わからないってば(大汗

「坐るものを積極的に受け入れるだけでなく、あまつさえその人間に徹底的に媚びようとする椅子」とCG誌に絶賛された、ルノー17の椅子です。厚いクッションに身をあずけ、身背もたれによりかかり、左右のクッションにはさまれたら、もう椅子は身体の一部。ルノーのいい椅子は、ほんとうに身体が椅子と密着して、糸が生えたように離れられなくなります。
>>さて次は「脚回り」。これもまた疲労させない重要な要素でありましょう。疲れるのは、視線が上下にぶれるからなのです。結論から言えば。それを最低限に抑えるフランス車が疲れないのは当然なのです。視線を上下にぶらさないためには、クルマをフラットに保つ必要があります。

>>100%フラットは不可能ですが、細かいピッチングや余計な上下動を押さえ込まなければなりません。細かいピッチングは酔いや、視線の小刻みな応対を迫り、いいことがありません。余計な上下動は、国産の「柔らかいだけ」な脚に多いのですが、路面の凹凸を受け入れる(入力側)はいいのでが、その入力で生じる車体の上下動を押さえ込む「ダンピング」が弱いので、うわんうわんとうねって、視線ブレを起こすのでしょう。

▲疾走するDS。DSまでとはいかなくとも、現代のフランス車も乗り心地の良さ=疲れ無さは受け継がれています。

>>フランス車は、柔らかい入力と、それを押さえ込む力のバランスが絶妙で、それが「いい乗り心地」を実現しているのです。そしてそれがフラットな走りを生み、乗っているひとの視線をぶらさないのだと思います。

>>そして「広い視界」「高い着座位置」なども重要です。プジョー205GTIなどのスポーツモデルでも、まず以外なのは着座位置が高いことでしょう。窓が大きいのはちょっと前のフランス車の美点でしたが、それはこの着座位置の高さとあいまって素晴らしく目の前の情報を入れてくれます。車高が高くないふつうのセダンでも、視界が広く視線が高いので疲れません。逆に着座位置が低いと下から煽るような目線でこれら情報を得なければ成らず、とても疲れます。深く埋まるような姿勢をとるイタリア車が疲れやすいのは、それが因のひとつかもしれません。

>>次に「直進安定性」です。遠くに行く場合、これも大変重要な要素でしょう。ステアリングには手を添えるだけ。視界に入った白線に合わせ、微調整するだけのアクション。ああ、なんてラクなんでしょう。ステアリングが神経質なフィールだったり、遊びが大きかったりするとこれがもう本当に疲れるんですよねえ。フランス車がスゴイのは小はそれこそ2CV(最低限なクルマなのに)から アヴァンタイムまで同じようにすばらしい直進性を持っていることです。

>>これらの要素が、まるでシーソーのように微妙なバランスをもって成立している。それがフランス車が疲れない理由です。スゴイのは、ハイドロ以外は凝ったメカニズムなど無く、単純な作りでありながら、これらを実現していることです。国産高級車はたしかに「高級装備」が満載で、脚回りも電子制御で固められていますが、ほんとに疲れます。国産高級車は、ちょっと前のはたくさん乗りましたが、例えばたった100キロほどセドリック(Y33)で走ったときも、なんだかすごく疲れた。空調は快適で心地良かったけど、疲労するかしないかでいえば当時乗っていたXANTIAの圧勝でした。XANTIAは500キロ無休憩走破とかふつうに出来ましたから・・・。

▲これはCX。スカットル(ボンネットの上端)は低く、視界がよいのがお判りかと思います。なんだか昔の写真ばかりですみません。ピラーが細いのも、もはや現代では望めませんね・・・。
▲まっすぐ走らないとフランス車じゃない!なんて言われるほど、フランス車はまっすぐ走ります。

>>基本がしっかりしているのだと思います。つまりは。ベクトルが正反対とも言えるメルセデスも、あんなに固いのに確かに疲れない。これはむろん、基本構成のレベルの高さの証明でしょう。欧州車は、高級デバイスはあまりありませんが、それはなくても基本はしっかりしています。なのに、国産車はまだ、エンジンパワーや装備、人目をひくコンセプトばかりで基本がおろそかになっている部分が多いように見受けられるのです(とくにホンダのミニバンの椅子は、おおむね劣悪の一言に尽きる)。いろいろ装備やハイテク付ける前に、椅子や脚回りをもっと快適にして欲しいものです。国産車は発想のユニークなクルマが多くなってきただけに残念です。どちらが大事なのかは、価値観の相違でしかありませんが、僕は、例えばパワーウインドウがなくても、エンジンがちっぽけでも、快適な椅子がついていて何時間乗っても疲れないクルマを選びます。

▲XANTIA。どんどん遠くへ行きましょう・・・フランス車なら、どれだってそのポテンシャルを持っているはずですから・・・。
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