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■Index
1フランス車は合理的
2フランス車は強い
3フランス車は疲れない
4フランス車は酔いにくい
5フランス車は速い
6フランス車は美しい
7フランス車は楽しい
8フランス車はココがヘン
僕と友の車たち
オススメフランス車
本国のクルマ写真館
フランス車はスゴイ(8)
フランス車はココがヘン
>>最近はエキセントリックなデザインや設計は減ったが、かつては???のオンパレードでした。そんなフランス車のヘンなところをピックアップしてみましょう。なぜフランス車はあんなに変わっていたのか?そこには、「フランス人の感覚」という、あるヒントがあるようです。ここではヘンっぷりが如実に出ていた、ダッシュボードを中心に考えてみたいと思います。
>>左の写真を見て何かわかった方は、そのスジの方ですね。BX初期型(ボビンと称される)のメータークラスターの左側です。で、もし初めてこの造形をごらんになって、このスイッチを見て何がどう動かせるのかわかる方はいないと思います・・・。フランス車、とくにシトロエンは、一時期、独善的としかいいようのないダッシュボードを輩出していたときがありました。70〜80年代の、未来志向の時代(テクノ?)に合致する頃なので、今から思えば「やってこなかった未来」の姿なのですけれど・・・。

>>写真の説明をしましょう。まず、クラスター先端、上の方の角についた三角形の突起が左右についたスイッチ。これがなんとウインカー。ふつうはレバーを上下するだけですよね・・・。左に曲がるときは左を押す。右は逆。ふつうのウインカーと違いセルフで中立には戻りませんが、このシーソースイッチ、ステアリングからちょっと指を自然に伸ばすと触れるので、慣れると非常に使い勝手がよいです。

>>レバーはライティングスイッチです。レバーを上から下に降ろすとスモール、ロー、ハイに切り替わりますが、その一番下のスイッチがパッシング。このスイッチはローの状態にしておいて押すとハイビームにもなったような気がします(記憶曖昧)。この反対側のクラスターでは、ライトスイッチの位置がワイパースイッチ、パッシングがホーンスイッチになります。

>>ボビン、と呼ばれるのは、メーターが「アナログ式デジタル」(???)というタイプの「ボビンメーター」を使用しているからです。「ボビン」にスピードが書かれていて、それがくるくる回って速度表示などをするのですね。情報は伝わればいい、という合理主義?クルマをバックするとボビンは律儀に逆回転しますので、「0」の隣の「200Km」がこっそり見えちゃうのはご愛嬌です。

>>それにしても、このダッシュボード、レクチャーしてもらわないと運転できません(涙)。しかもこれと似たようなレイアウトのCXでは、微妙にスイッチの配置が違うんです(泣

>>もうちょっと続けましょう。左は、BXの前身ともいえるGSAのメーターです。これ見て「くるま」だとは思えない・・・。最上段はワーニング(警告)図。その下、ボビンのメーター類と距離計。その下はバッテリー充電計と燃料計。よくわからないかも知れませんが目のマークはワーニングのチェック用です。そして!左の「筒」の「上フタ」がライティングスイッチ。「下フタ」がワイパーです。まさしく「お茶の缶」のフタを回して開けるような動きを要求します。変でしょ!右は各種スイッチがまとめてあります。変ですが、全てのスイッチがこの2つの筒に集まり、合理的な配置になっていることに注目です。
>>左下の写真は、上がヴィザ、その下がCXのパネルです。みんなシトロエンです。ヴィザのなんて見ているだけで笑ってしまうような、ほほえましい造形です・・・。

>>なぜフランス車のメーターは、いやメーターに限らず造形は「面白い」のでしょうか。ここでは紹介できていませんが、CXの車内側のドアハンドルはピストルの引き金みたいな形状で、つい引きたくなります。GSのドアロックも、「なんだろう」と大人が触ってみたくなる造形ですから、子どもは間違いなくいたずらするでしょう。

>>フランス人に宿る感覚として、「アンファンテリズム」というのがあるそうです。訳すと、「幼児性」とでも言えましょう。大の大人が、まるで子どものように戻ること。分別を失うという意味ではありません。子どものような心を持ち続けるというニュアンスだと思います。すなわち子供心=「遊び」の要素を持ち続けるということでしょう。そう考えると、合点がいきます。合理性を、機能性を突き詰めても、遊び心がないとドイツの製品のような理詰めっぽい製品になる。直感の美しさが加わるイタリアの製品は、機能などが無視されて、造形の美しい製品になる。ですがフランスの製品は、合理性・機能性を徹底的に突き詰めた上に「遊び心」が加わり、「無駄がまったくないのに面白い造形」が生まれるのではないでしょうか。しかも彼らはこういった特殊な形状をみても、それが機能性に満ち、合理的であるならば、迷わず選び取る。ですから、それはダッシュボードの話に留まらず、日本人から見たら奇異なDSでさえ、機能が要求に満ちているのならば、まったくふつうの乗り物として捉え、買うことが出来る国民なのです。ですが他の国には奇異にしか見えない。フランス以外の国へとフランス車が拡がっていくなかでは、こういった「特殊な」造形が失われていくのは仕方ないことなのかもしれませんね。

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