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■フランス車はスゴイ(5) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
■フランス車は速い | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
>>馬力・カタログ数値信仰が強いこの国において、ちょっと前のフランス車は「遅い」と言われ続けてきました。ほんとうに遅いのでしょうか。では遅いとは何が基準なのでしょうか。絶対的なものなのか、それとも感覚的なものなのでしょうか? | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
>>29馬力しかない(初期のなど8馬力しかなかった!)シトロエン2CV。それと280馬力のスポーツカー。その差実に10倍近く。どっちが速いなんて不毛な議論です。たしかに。でも、それは絶対的な速度や、到達時間の速さです。ココで言う「速さ」を考えるには、そういう絶対的数値はこの際忘れましょう。
>>たしかに最近はフランス車も高出力車が増えてきました。でも、庶民一般が買うクルマではないのです。このご時世になっても、プジョーの206は1.4Lで74馬力しかありませんし、もっといえばほとんどのクルマの売れ筋が、馬力議論にトドメを刺す、ディーセルエンジンばかりなのですね。 >>ではフランス車的な速さとは一体何でしょう。普通に使うだけのクルマなのに、馬力や、サーキットラップというデータがあまり関係のないことだと教えてくれる、フランス車の速さとは? |
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>>フランス車のエンジンは一般的には車体に比べて小さめです。最大の仕事を最小のエンジンでさせること、それこそが合理的であると考えるからです(合理的ページ参照ください)。となると、エンジンは小さい。でも小さいと力が出ない。ではどうするのかと言いますと・・・
>>大切なのは実用域の加速であると考えるのです。馬力は理論上高い回転にすれば出る。でもそれに相反して、低い回転域ではパンチのない線の細いエンジンになってしまいます。フランス車は馬力を追わず、発進に必要なパンチ力を重視します。トルクです。 >>トルクが大きいことはフレキシビリティのあるエンジンになります。マニュアルの場合でも、あまりシフトチェンジをしないルーズな運転でも、クルマはストレス無く走ります。これは疲れない運転(<疲れない>の項目参照)にも繋がります。 |
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▲小さな小さなルノーサンク。エンジンも大きくても1400ccしかありませんでした。それでも快活に、しっかり走ります。野太いトルクを持った、フランス車らしい走りです。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
>>トルクが太いと言うことは、燃費も良くなります。エンジンをあまり回さなくても良い(アクセル開度が小さくなる)からです。それは必然、燃費の向上につながります。
>>これがフランス車の「速さ」です。要は、絶対的な話ではなくて、その排気量毎に比べた場合のお話なのです。例えば同じ1500CCでも、国産の馬力重視のクルマでは案外アクセルを踏みつけないと走りません。ファミリーカーでも馬力は結構ありますよ。でもフランス車の同じ排気量のクルマは、おどろくほど快活に走ります。額面馬力の意味の無さを知ります。本当に大事なのは「必要域の速さ」なのだと。どちらが「速い」でしょうか? >>極論から言えば別にフランス車に限った話ではないです。でも。昔から、フランス車のエンジンは、イタリアのように精巧な作りで主張することもなく、ドイツのように技術的に進んだ部分や大きな出力もありませんでした。ただただ、エンジンは黒子に徹していました。 >>29馬力の2CVが280馬力のスポーツカーより速いわけはありません。でも、29馬力の2CVが想像以上に活発に走るのを知れば、ここでいう「速さ」のニュアンスがお判り頂けるかも知れません。フランス車は、「速い」のです。日常においては。ですから、フランス車には「日常使用のレベルのクルマ」だと、不必要な馬力や排気量を求めないのです。必要にして充分・・・であるからです。 >>そしてもうひとつ。フランス車は乗り心地がいいので、結果として例えばA地点からB地点までの移動を考えた場合、石畳が多かった昔なら、悪路で辟易してしまう高性能車よりも、2CVのほうがよほど早く到着できたかも知れません。それもまた「フランス車の速さ」です。そしてその伝統は今でも守られています。乗り心地がいい→疲れない→休憩が少ない・・・などの連携で、ほんとうに早く到着できます。瞬発力よりは、結果としての速さなのです。 |
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▲奥底に押し込まれた、2CVのフラットツインエンジン。フランス車ではエンジンルームを飾ることは、合理性で言えば無駄意外の何ものでもなかったので、ちょっと前まではエンジンルームは乱雑の一言でした。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
▲シトロエンDSでラリー?意外!いえいえ、高速巡航性にすぐれ、素晴らしい悪路走破性を持っていたDS/IDは、ラリーカーとしての素質もありました。エンジンは遅くても、速い。これもいわば「フランス車の速さ」でしょう。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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