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シトロエン エグザンティア V-SX
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オススメフランス車
シトロエン エグザンティア 2.0i V-SX 1994 4AT LHD
>>無敵の中型サルーン 1998.11〜2000.7頃
>>レベルアップ願望?
スッド、初代サンクと乗り継いで、希少車好きになった僕は、サンクの代替えも珍しいクルマに乗りたかった。でも高級志向というわけではないのだけど、いつ停まるかわからない不安を抱える必要のない「現代のクルマ(苦笑)」にいい加減乗りたくなった。予算の中から浮上したのはルノー21TXE、ラグナRXE、稀少じゃないがエグザンティアSXだった。いずれもサンクに比べるとクラスが二つも上だ。大きなグレードアップである。

>>3車3様
ルノー21は椅子の良さや広い車内が魅力的、何よりも珍しいノンターボがウレシイ。でも設計がシュペールサンクと同時期で、見慣れた意匠が新鮮みに欠く(いま思うと、あんなに程度のイイR21TXEもあれきり見ない・・・買えば良かった)。フランスモータースの女性社員所有だった7万走行のラグナは95年頃のフェイズ1、グリーン内装の布椅子、外装が濃い紫メタ!フランス車らしい配色だが、いくらメンテの行き届いたクルマとはいえ走行7万キロというのが厳しい。そしてXANTIAは甲州街道沿いの、フランス車をいいラインナップで揃えるお店に見に行った。友人KOのBXでハイドロの良さは知っていたし、乗ってみたいと素直に思っていた。紺色のV-SX。走行3万チョイ、車検もたっぷり。なによりもデザインに惚れた。XANTIAカッコイイ。

>>悩んだ末に
でもエグザンティアは抵抗があった。よく売れていたクルマだったからだ。でもそこにあったXANTIAはハイドラクティブ、最初期型、稀少サンルーフ、稀少左ハンドル。天の邪鬼の僕もまあ納得で買える仕様だった。結局悩んだ末そのクルマに決めた。せめて、他人と違う要素をそういう部分に残したかった。ラグナやR21ならはじめから珍しかったが、基本的に左ハンドルが好きだという点と、今の嫁である当時の彼女がラグナの紫に異様に抵抗したので(泣)、というのもあったりする。

▲山中湖畔の夕陽の中、美しく雪映えするXANTIA。気分はフレンチアルプス(行ったことないけど)。
夏の暑さよりも、さみしい秋やもの哀しい冬の方がフランス車には似合うと思う。だから、僕は秋冬は精力的に枯れた木立を目指して走り続ける。2000.2
>>とにかく広くて快適なリアシート
なにもリアシートのことから入らなくても(W)。でもホント特筆に値する。思うに4.5M以内の車体であんなに広いクルマはそうは無い。リアシート回りのレッグスペースは、国産の成りばかり大きなセダンなんぞ一笑に付す。座り心地も相当イイ。背もたれの角度も丁度良く、妙に立ってる現行車C5よりも断然良い。ダブルフォールディング(折り畳み)が出来るというのに、この出来の良さ!

>>抜群のユーティリティ
セダンに見えてハッチバック。リアオーバーハングは短いけれど、何を積んだらいいんかわからないほど広い。シートを畳めば洗濯機も小さい冷蔵庫も入る(実話)。ブレーク(ワゴン)のほうが積めるのは当たり前だけど、ハッチバックで4.5M無い車体で、ほんとに良く積めた。なにより、車体を常に水平に保とうとするハイドロ(ハイドラ)の恩恵で、いくら重いものを積んでもヘッドライトの光軸が不変であるというのが嬉しかった。

>>快適そのものの前席
すんごく柔らかかったサンクやボビンBXの椅子などに比べると固いけれど、XANTIAの前椅子も可成りいい椅子であった。疲れさせない。いや、疲れない。電動で動くのはV-SXの余計な機能。ところで真偽のほどは定かではないけど当時乗り比べてSX(低いグレードの方)はどうも椅子の出来が落ちるような気がしてならなかった。のちのクサラはSXとエクスクルーシブの椅子が違うのは確かだったから、あながち間違ってはいないだろうけど?

>>窓が全部開く
???と思う人もいるかも知れない。でもこれはリアドアの窓の話。中サンがあればだいたいは全部開く(実際は中サンあっても全部は開かないクルマが多いけれど)んだけどXANTIAは一枚窓。でも完全に開く。これって実は凄いこと。開くからどうだってわけじゃないけど、これってそのクルマの真面目な設計態度みたいなのが出る部分なのだ、実は。メルセデスとか全部開くし。ホイールベースの短い、小さなクルマには不利な条件なんだけどもね。


シトロエンXANTIA
(エグザンティア・本国風に言えばクサンティア)2.0V-SXはこんなクルマ
▲ハイウエイこそXANTIAの真骨頂を味わえる。ただひたすら遠くへ行こう。何も考えずに。不安定な魂はグランドツーリングを求める。1999.3。

シトロエンが1982年にデビューさせたBXは、それまでGSACXの間が大きくあいていたスキマを埋めることに成功し、また商業的にも成功したモデルとなった。XANTIAエグザンティア、本国風に読むとクサンティアになるようだ)はそのBXの後継車種として1993年にデビューした。
フランス車らしい設計だったそれまでのシトロエンと異なり、1991年にデビューした
ZX同様にエキセントリックさは内外装から影を潜めた。だが、基本的な思想は今まで通りで、長いホイールベースによる広く快適な車内、直進安定性、そして素晴らしい乗り心地を持っていた。BXとの最大の相違は脚回りで、BXの流れをくむハイドロニューマチック以外にも、それをベースに電子制御化と欠点の克服を図ったハイドラクティブ(1989年のXMで採用)の改良型であるハイドラクティブ2を採用した。日本国内では1994年、ハイドロのSXとととハイドラのV-SXが同じ2000CC・OHCエンジンで導入され、翌95年にはエンブレムをグリルに移すなどの内外装マイナーチェンジ、そしてその後さらに顔を精悍なデザインにし、エンジンも2000CC・DOHC、3000CC・V6などが採用されたるなどの改良を受ける。その後2001年に後継車のC5がデビューすると、それと後退するようにフェードアウトした。ボディは「一見セダン、でもハッチバック」の他に、ブレークと呼ばれるワゴンボディがあり、ワゴンブームにのって国内でも可成りの台数が出た。後継車のC5は、サイズが大きくなり、デザインテイストも大幅に違うことから今でもXANTIAの人気は高い。総合力に優れたシリーズで、玄人受けも非常に良い。程度のイイXANTIAは減りつつある。もしXANTIAが気に入って、いい出物があったら即買いをオススメする。

▲リアの居住性の良さが充分伺えると思う。V-SX のシートのチェック柄は車体色に合わせて変えられていた。この内装は評判が良かった。なお紺だとチェックは青ベース。※書籍からスキャン。

>>こんなもんじゃなかろう
買ったとき、確かに乗り心地は良かった。思いの外固めなのはBXのイメージがあったからだけども、こんなんじゃないはずだ。どうもスフィアがダメっぽい。ほんとうのハイドラの乗り味を味わおうか。ハイドロは1車輪1個のスフィア、でもハイドラはアド玉と呼ばれるスフィアが前後に各一個追加で全部で6個。購入後2ヶ月でこれを交換し、ついでにシトロエンプジョー(PSA)系エンジンの弱点でもあるタイミングベルトも交換、ブレーキパッドも換えてしめて12万。アイタタタ。

>>陸の船の面目躍如
でもたしかに変わった。乗り味。ふわふわはしなかったのは予想外。むしろコーナーでは無駄なロールを抑え、俊敏な脚回り。賛否両論有ろうけれど、シトロエンが目指した理想は確かに達成されていたような気はした。乗り心地の良いハイドロの弱点でもある左右のロールを抑えただけでも。まあ個人的にはカーブで車体倒れるほど傾くフランス車が大好きなんだけどねえ・・・。でもとにかくいやになるほどまっすぐ走る特性と、ハイドロよりもさらにとことんフラットに抑える脚回りで、長距離の移動は「ほんとうにほんとうにラク」。CXやDSに与えられていた「陸の巡洋艦」という称号を思い出す。500キロ無休で走ろうが身体はどこも痛みを訴えない。こんなクルマそうはあるまい。

>>美しいスタイリング
ベルトーネのデザインは今見てもはっとするほどの美しさだ。サイドに鋭く走るエッジのプレスはストンと落ちるテールに直結し、切れ上がったリアのスタイルを強調する。Cピラーの角度、リアウインドウの形状・・・前よりも、斜め後ろからの姿には、何度見ても感心させられた。そして短いリアオーバーハング、猫背の背中はまさしくシトロエン直系の伝統を感じさせる。

▲京都のアウトパラスさんにあったプジョー504を見に行った。日帰り。疲れない。京都、四条界隈。1999.3。
▲マルセイユにて。ウソ。思いっきり清水港にて。1999.1。
>>伝統は守られている
内装は確かにBXよりは国際的になったが、虚飾のないデザインは機能性に満ち、今見ても優れていると思う。そして何より、のちのC5との決定的な違いがひとつ。スカットルが低い。要は前の窓の下が低いのだ。高めの着座位置と合わせて、素晴らしく疲れさせない要素を形成する。フランス車の伝統は、まだこのころは守られていた。

>>ポンプが小さい?
ハイドロ系のクルマは、通常のダンパーとバネのかわりに空気とオイルがそれの役割を果たす。クルマ中をそれこそ血管のように貼り巡っているオイルのライン、そしてそのオイルを送り出すポンプはまさしく心臓である。
ところが僕の乗っていたXANTIAはエンジン停止後にすぐ車体が落ちる。エンジンONでポンプが回りだしてもなかなか車体が上がらないなどの状況にあった。聞けば、94年型XANTIAのはポンプがBXと同じサイズの小さなものなのだそうだ。車重が300キロも増えたXANTIAではすぐに落ちる&上がらないなのだろうか。翌95年式からはアンチロワリングという、エンジン切っても一定の車高を保つ仕様になった。これ欲しかったなあ。だって10分でペッタンコになっちゃうんじゃ、コインパーキングは停められないんだよ!

>>傑出・無敵の中型車
パワーは大したこと無い。トラブルも減ったとはいえ、何もないとは言えない。燃費も町中では7キロ台で泣きそうだった。オートマも相変わらずのZFで日本向けでないセッティング。でも褒めちぎっている。たしかに褒めちぎるだけの能力を秘めている。
かの聖エンスー小林氏も愛用し、耽溺したXANTIA。このクルマはバランスが非常に良い。サイズは大きくもなく小さくもなく、車内は広く、直進性に優れ、椅子は絶品、荷物は積めて、ハイドロゆえ、車体やブレーキの踏力は荷物や人の量に合わせて水平と同じ踏力を保つ。シトロエンの思う理想、快適に地点から地点へ移動するという目的は高次元で達成されている。しかも驚くべき実用性とユーティリティを持って。他になにがいるだろうか。C5はでかすぎる。なにか無駄なものが多い気がする。XANTIAは、フランスの良い意味でのケチな合理主義が無駄なく貫かれていた気がする。しかも国際市場での競争力を持つべく、信頼性まで備えて!

SPEC
全長*全幅*全高:
4445*1755*1385・
ホイールベース:2740
車重:1380キロ
エンジン:1998cc L4 OHC
最高出力:120ps/5750rpm

最大トルク:
18.3mkg/2750rpm
生産国:フランス
新車当時の価格:350万円
スペックは日本仕様
▲すごいグランドツーリング性能を生かして、短い所有だったが良く出かけた。廃止寸前の新潟交通、東関屋にて。美しいリアビューと日本車輌標準車体の小さな電車。1999.3。
●写真は特記以外すべて本人(ie)撮影。
▲ちょっと停めておくとペッタンコの94年型。それはさておきなんてカッコイイサイドビュー。写ってるのは元BXユーザの友人KO。新潟の日帰り温泉にて。1999.3。
>>けれど僕には
買ってから一貫して感じていたことがあった。それは有る意味致命的なことでもあった。それは・・・「自分に合わない」ということだったのだ。スッドで感じたボロクルマの楽しさ。パンダの自由。サンクの持つ古き良きフランス車の感覚。XANTIAは最高のファミリーカー。でも僕には合わない。言うならば、仕立てがすごく良くて、値も高く、機能的ですばらしい服なんだけど、それは高級デパートの紳士服売場で売っている服。でも、僕はそこで売っている服をあまり着たいとは思わないのです。すなわち、精神的融合度。パートナーとしてのクルマとのマッチング。そう言う意味では、今まででそれらが一番低いクルマだった。これはどうにもならなかった。クルマは自分を現すスタイルだ、人生だと思っている自分に、合わないクルマに乗り続けるのはちょっとした苦痛ともいえた。オーバーでなく。いや、XANTIAが悪いのではない。僕が若すぎただけのことだ(だって、今なら、また乗りたいから・・・すごく!)

>>ごめんね、そしてさよなら
・・・乗るたびいつも感心し、感激させられてきたXANTIA。でもどんなに良いクルマだとわかっていても、乗り続けるのは難しかった。ごめんよXANTIA。そして車検が近づいてきた。悪い虫がうずいた。気が付けば近所のプジョーディーラーで206を見ていた。そう、206。新車の206。この僕が新車?XANTIA買った時でさえ周囲から「ieは不抜けてしまった」とブーイングが起きたというのに。・・・嗚呼、ieよ、お前はどこへ向かうのだ・・・?(W

▲こちらも廃止が取りだたされていた名鉄の600V末端区間。高校生から足繁く通ったが、このクルマでも行くことになった。今までのクルマでいちばんラクだった。
名鉄谷汲線のモ700と。昭和2年!製。2000.3
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