ルノー18 TURBO
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オススメフランス車
ルノー18turbo 1985 5MT
>>ギャレットターボ+キャブ、そして最高の椅子
>>後輩YY、アルファで悩む
友人猫澤君からルノーをおさがりで乗り続けた後輩YYは、僕の斡旋でアルファ146に乗り始めた。ところがアルファの前がトゥインゴだったもんで、その「ギャップ」が意外と彼を苦しめた。後輩YYも、僕らと同じように一度はアルファに憧れた身だったが、いざ乗ってしまうと、いちどルノーの、しかもまったりしたトゥインゴの安楽が思い出されて仕方がない。しかも長距離走るのが大好きなYYにとって、「遠くへ行くと疲れる」アルファは、それもまた気がかりだった。

>>日本に、あったんですか
そんな折り。友人tauko君から電話が入る。某所にR18(ルノー18=ディズユイット)があるとのこと。しかもターボ。僕は顎を外さんばかりに驚いた。説明しよう。何故か?それは日本に正規輸入されていない車だったからだ。しかも
70〜80年代のルノーは一概に地味で、輸入は計画されてもサンプル輸入で終わったクルマばかりだった(この国においては、個性のない風に見える実直なクルマは売れないので、こういうケースが良く起きる)。R18もそんな一台だったのだ。それが、あるとは!しかも、ターボ!

>>見て、泣きそうになった
YYに話しかけ、その某所に向かう。ルノー4やミニが得意なその店に、R18チュルボ(フランス語読み)は鎮座していた!フランスに渡ったことのなかった僕らには、見るだけでも衝撃だった。いやマジで泣きそうになった(W)。少なくとも「70〜80年代のどうにもならない風情のルノー」が大好きな自分たちには、夢のような一瞬だった。前オーナーさんが大切に乗っていたらしく、コンディションは見るからによい。

ルノー18 ターボ
▲ここは日本ですか!?な、ルノー18、上里で夕陽に照らされるの図なり。こうやって見て、フランス車とわかる要素は少ない。2003.4
▲このルノー18が「素」の状態、TL。この姿の「R18AT」も一応サンプルで輸入されたが、その後どうなったのやら・・・。※
>>なんだよ!この椅子!
店の方に承諾を頂き、おそるおそるドアを開け、座る。座った瞬間に、発達した「尻センサー」が、この椅子が極上であることを体中に知らしめる。背骨が自然に椅子のカーブに馴染み、それと時を同じくして、緊張していたカラダがふわーっとほぐれていくのがわかる。かつて乗っていた初代ルノーサンクの系統の椅子だ。座るとまずバフッとカラダが大きく沈み込む。でも只柔らかいだけではない、微妙な弾力を持ったクッション。そしてカラダが沈み込んだ頃、ピタッとカラダが椅子とひとつになって固定される、あの椅子だ。シトロエンにもプジョーにもない、背中が菌糸で椅子とくっついて溶ける感触。参った。なんだよ、この椅子!すげえよ!

>>乗りやすい、OHV+キャブ+ターボ
試乗も出来た。走行は8万キロ程度だが、コンディションは相当良い。OHV、キャブレター、しかもターボというマニアックなスペックが泣かせるエンジンも、扱いにくいことなんてなく、もとからぶっといトルクフルな性格、フレキシビリティも充分だ。それでいて古典ターボの快感、明らかに遅れてやってくるターボの効き!音も「ターボ」している。トルク+ターボで全域ストレス無く走れる。1980年代真ん中頃で、なかなかターボでこういった乗りやすいエンジンは無かっただろう。

>>ターボの真実
気になって帰宅後当時のCGを探して見てみたら、あったあったR18TURBO。当然スポーツグレード・最上級版というニュアンスでのターボ採用だった(当時はF1もターボだったから、宣伝効果というのもあった)のだが、それ以上に注目したのが、馬力を稼ぐ「絶対的速さのターボ」ではないということだった。要するに燃費ターボ。80年代の日本をはじめとして、ターボといえば高出力化と決まっていたものだけれど・・・。注目は街乗り燃費が1.4Lクラスであるらしいこと。でもまあとにかくOHV、キャブレター、しかもターボ、さらには往年の自動車ファンには懐かしいギャレット製のターボ(T3!)だってんだから、泣けてくるじゃないすか・・・!当時はF1はターボ全盛。ルノーはRE20〜RE30〜RE40あたりの頃。懐かしい・・・。まあF1のターボは実はKKKなんですけどねえ(笑)。ルノーターボエンジンはロータスにも供給されていて、セナの初優勝は実はルノーエンジン。ロータス97T、1985年ポルトガルGPだった。


ルノー18 ターボはこんなクルマ ▲これが「なんだよ!この椅子」って泣きたくなる、背中を溶かす椅子。見るからに気持ちよさそうなヘッドレストは、外して仮眠用として用いるのが最高の使い道。※
※本国仕様。

1978年に登場した、ルノーのミドルサルーン。ルノー12(R12=ドゥーズ)の後継車として開発されたが、このR12もまた国外販売を視野に入れたオーソドックスなセダンであったため、R18もまた平凡とも言えるスタイリングを持っていた。機構的には縦置きFFのR12をほぼ引継いだものとなっているため、ホイールベースも共通だったが、当然時代に合わせた安全強化、車内の拡大などに開発の主眼が置かれた。当初エンジンはR12とルノー16(R16=セーズ)の1.4Lと1.6Lでスタートしたが、1980年には2.1Lターボディーゼルを追加、さらには同年9月にターボがラインナップされた。ターボは1.6LOHVユニットにギャレットT3ターボとインタークーラーを装備して110PSを発生。外観も専用アロイホイル・ストライプ・前後スポイラーなどで演出された。その後グリルなどの小変更を受けるなどして変更を加えつつ、1986年に後継車のルノー21(R21=ヴァンテアン)が登場することで引退した。R18はオーソドックスではあるが、かのフランスにもこの手のクルマの需要は多く、大ヒット作となった他、トルコやアルゼンチンなどでは最近まで生産が行われていた。日本には当時のディーラーであるキャピタル企業によって1.6Lのオートマチックと、ターボなどが数台づつ輸入されたに留まる。R18は派生ボディとしてR18ブレーク(ワゴン)、ほぼコンポーネンツを流用したスペシャリティクーペフエゴがある。モノスペース(ミニバンの嚆矢)であるエスパスはR18のフロントサスなどを流用しているので、派生とまではいかなくてもR18と関連づけられる一台かも知れない。

▲スポーティさのかけらもないデザインなのがフランス車ぽい。チュルボは、「トップ・オブ・ルノー18」だが、えらく素っ気ない。でも当時にしては装備は充実していた。※

>>買っちゃった
結局YYはアルファを売り、R18を手に入れた。本来ならクルマの性格上、グランドツーリングなどお手の物なのだけど、20年近く前のターボ車、しかも「余計な電気機器つけるから、そこが壊れる」時代のクルマ。つきまとうトラブルの可能性が頭をよぎる。皮肉にもYYはすっかり遠出しなくなってしまった。トゥインゴの時は日本中に出ていた彼がである。

>>最初で最後の大旅行
実はこのR18はもう彼のもとにない。乗らなくなったのはクルマが理由だけではなく、いろいろな事情で乗る時間が無くなってしまったというのも大きいようだ。そうなると乗らないままR18が腐っていくのは勿体ないのだった。だから、猫澤君のエスパスと出かけた福井は、良い思い出になってしまった。超がつく希少車2台で、フレンチトーストピクニックに行ったのだ。道中何度かR18のステアリングを僕も握ったが、快適の一言だったのを思い出す。

>>でもやっぱり壊れた
「余計な電気機器つけるから、そこが壊れる」時代のクルマ、とさっき書いたけど、これ良くある話で、このR18もやはりそうなった。YYがでかけた横川で(しかもおぎのやの駐車場)不動になったとの電話が入ったのだ。僕は救援にレンタカーの(凄まじくボロい)キャンターのローダーで引き取りに行った。工場へ直送して見て貰った診断は、「電気的ななにか」だった。ドアロックやらなにやら電気的な部品も同時に故障していたので、その辺をクリアにするため配線を辿らないとエンジンはかからないだろうと思った。

>>急転
R4に乗るtauko君が結局このR18を乗ることになった。すぐ身近にあるのはウレシイ。このクルマは貴重な一台だから・・・。それにしても車歴に「R18」と書けるのはスゴイ。相手になるのは、ルノーフエゴとか、R11とかくらいなものだろう・・・。

▲プレスリリースからルノー18チュルボを二態。リップスポイラー、変わった造形のリアスポイラー、テクノな(笑)感じのアロイホイル、ブラックアウトされたウインドウモールが特徴。※
SPEC
全長*全幅*全高:
4381*1689*1405・
ホイールベース:2441
車重:950キロ
エンジン:1647cc L4 OHV
最高出力:79ps/5500rpm

最大トルク:
12.3mkg/3000rpm
生産国:フランス
新車当時の価格:--
スペックはR18GTS(1979)
▲2004年のフレンチブルーへ行く途中、小淵沢界隈のまきば牧場で。こうなるとほんとに「ここ日本!??」な感じになります。2004.10
●写真は特記(※)以外はすべて本人撮影。
▲日本にいる証拠その2。上:福井で行われたイベントに参加したレアルノー2台。下:帰路で立ち寄った高山駅。2003.5
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