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オススメフランス車
ルノー9TSE 1986 5MT
>>ルノー保守中庸の極み。フランスのサニー
>>スッドバカの次の手は
実をいうと猫澤君もまた、BXのあとに僕のと同じ仕様のスッド1.5スーパーを買った。もうこうなると僕たちはスッドバカである。しかも、同じと言うことは、「日本に数台レベル」だった角目後期型ということであるわけで・・・。ところが彼もまた、僕と同じようにスッドに疲れ(泣)、早々に手放すことにした。そしてその後釜を探していたときに、某クルマ屋にいたとある珍しいルノーを買うことにしたのだった。

>>まさか、まさかのルノーヌフ
R9(ルノー9=ヌフ)がそれだ。・・・高校生の時、僕と猫澤君はカーセンサーを読みふけっていた。そのとき、時折欄をにぎわすルノーヌフの文字。興味が湧いた。その時からR9を欲しかったとか、そういうわけではなかったが、懐かしさもあるし思い入れもあったのは確かだった。だから、R9が来ると決まった時は、買った当事者だけでなく僕もこころが踊った。そう、あれから十年にならんとするとき、まさか買うことになろうとは・・・なのだ。感慨深くなるもの無理は無い。

>>平凡無国籍
納車されるまで、古いCG誌などをひっくり返してR9を調べ尽くした。見れば見るほど平凡なスタイリングだ。店にあった段階で座ってはいたから、椅子がいいのは知っていたけれど、それを差し引いても、フランス車らしいといえばスパッツ風のリアタイヤの処理、そして必要以上に前のめりなスタイルくらいなものだろう。平凡なのは、当時のルノーの経営姿勢を良く現すデザインなのだ。国際戦略車として、あえて無臭にしたのである。無国籍風なデザインは結果として行き詰まることになるのだが、このR9の頃がいちばん平凡だったかも知れない。

▲在りし日のルノー9(ヌフ)。フランス車の臭いを排除した結果のスタイルがわかる。最近開催されなくなってしまったルノーデイにて。御殿場で、近くて、なかなかいいロケーションで、ヨカッタんだけど・・・。奥の赤いサンクTSとはエンジンが同じ。1999.6
>>走ったら、生粋ルノーだった
初ドライブは千歳船橋で待ち合わせてベイブリッジに行くのがかつての決まり?だったから、早速R9もそのルートで走った。少し走って、そして第三京浜に入って、この無国籍でつまらない風体のクルマが、心底ルノーであることを知らされたのだ。粘っこい直進性、ゆりかごのような気持ちイイ椅子、素晴らしい視界、サスストロークがたっぷりしていて素晴らしい乗り心地。これをベースにシュペールサンクは作られた。確かにそうだ。これはサンクの味と同じだ。要は最高だということ!

>>1397CC、OHV
R9はTSEというグレードである。当時のルノーでは「TS」だとスポーティ系グレードであったから、それの高級版的ななりたちの「TSE」は、スポーティ系であるということがわかる。まあそれを示すのはリアスポくらいだったけど・・・。エンジンは1397CCのOHV。お、と気が付かれたあなたはルノーフェチ。サンクなどに積まれていたお馴染みのユニット。ルノー史上初めて横置きエンジンとなったR14(キャトルーズ)の後継であるR9は当然同じ搭載方法。TSEのエンジンは、日本にも輸入されたシュペールサンクTSと同じ72PSユニットであったが、このエンジンがOHVらしからぬ?吹き上げる気持ちイイエンジンだった。そしてルノーOHVお約束のぶっといトルクで、運転もラクラク。飽きの来ないエンジンであった。


ルノー9TSEはこんなクルマ
▲これが「ゆりかご椅子」。見た目なんでもないけど、座り心地はこれまた極上。椅子だけはルノーの出自を無言で語っていた。※
※本国仕様。

1970年代も中盤を過ぎ、フランス車も国際市場への進出がこれまで以上に必要になっていった。そんな時代背景の中、可能な限り「独特な」フランス車の性格を取り去り、広い市場で万遍なく受け入れられるようなキャラクターの世界戦略車として、ルノー9(R9=ヌフ)は1981年に登場した。極めてオーソドックスなスタイルの小型ファミリーサルーンであるR9は、前述の如くあえて外観や使い勝手の個性を消し去っており、一見すると同時期の国産車と大差ないようにも思える。なお、ルノーは、1978年にアメリカ市場への進出を図りAMCアメリカンモータースと業務提携したが、世界戦略車であるR9は当然この提携の主役となった。
外観は無国籍だが、内包するメカニズムは純然たるフランス車で、前任の
ルノー14(R14=キャトルーズ)からは大きな進歩は遂げていないが、エンジンの搭載方法が、エンジンを72度傾けているプジョー104のメカニズムをそっくり貰ったR14とは異なり、R9では一般的な設計となった(R14=イシゴニス式、R9=ジアコーザ式)。さてそのエンジンは、すべてOHVで、1.1L・47.5PS、1.4L・60PS、1.4L・72PSの三種類が用意され、上級スポーティグレードであるTSEには72PSのユニットが選択された。
1982年、
ルノー11(R11=オンズ)がR9のハッチバックバージョンとして追加された。3ドア、5ドアが用意された。その後R9/R11はマイナーチェンジなどを受けながら生産が続行され、1988年、後継車のルノー19(R19=ディズヌフ)が登場することでラインナップからドロップされた。なお、平凡さが功を奏して世界戦略車としての使命は充分に果たされた。トルコやアルゼンチンなどでは大ヒットとなり、今でも生産されている国があるほどである。なお日本にはR9/R11を含め百数十台が輸入されたに留まり、当時から希少車であった。

▲TSEグレードではないが、これがR9のダッシュボード。これを見ても無国籍。飽きの来ない良いデザインだけど。※ ▲メーターパネルのアップ。これもまた没個性なデザインである。このあとのシュペールサンクや、R21、R25などはカラフルで書体も独特のデザインに変わっていった。

>>ゆりかご椅子
ゆりかご椅子とは、ふつうに背もたれが倒れるだけでなく、椅子ごとロッキングチェア風に動く椅子。で、この「ゆりかご」を動かすレバーは前後に椅子を動かすレバーと間違えやすいので、乗って初めての人はまずみんなこのレバーを引いてしまい「ゆりかごを動かして」天井を見ることに・・・。ロッキングチェアに座って後ろに倒れそうになるまで揺らした状態を想像して下さい・・・。脚があがって、天井が見えるほどの傾き!いきなりそうなるので、みんなびっくり!

>>ショボイ塗装
写真では当該車はキレイに見えるけど、実はボンネット、天井は半艶消し状態。塗装の末期だった。なんとかツヤを出そうとワックスでもかけようものなら、むしろワックスかけるスポンジに鼻血色の塗装がこそぎ落とされて移る始末・・・。まあもはやこの頃の年式の赤系のクルマは、日本車でも同じようにツヤはなくなってしまうので、赤い車体の哀しいところではある。プラ部品もカスカス。潤滑系のワックスを塗布するも、すぐにカスカス。これも古いと仕方ない部分。

>>とにかく深い
平凡。でも乗れば最高、生粋ルノー!素晴らしい!・・・のがこのR9。とはいえ便利な5ドアが多いフランス車の中にあって4ドアセダンはやはり不便だし、なんとも中途半端な感じがする。
ところで基本的にはフランスでもセダン層は「保守的な」ユーザー層が見込まれており、このR9も保守中庸(ただでさえルノーは保守的なユーザーが多かったのに)の一台であった。だが、面白いのはここからだ。日本と違い見た目などを気にしないのがフランスの保守中庸層であるならば、実用性もあり、道具として割り切る彼らの地において、R9はまさに格好の一台であったのだ。だから非常に売れたし、
カーオブザイヤーも取ってるし(笑)、トルコやアルゼンチンなどでは超がつくほどの人気車種として近年まで生産されていたほど。だから基本が優れ、ルノーらしい「快適性能」を持っているのにダメな風体、というR9は、その頃の迷えるルノーらしい、不器用な一台だったといえる。
見た目=サニー、知名度=限りなくゼロ、な日本において、こんなR9に乗るということの深さ。シトロエンやプジョーよりもただでさえわかりにくい
「ルノーの奥深さ」、それをさらに超えて理解しなければならないR9というクルマは、「ルノー道」ともいえる一台かもしれない。

>>そして惜譲
猫澤君→後輩YYと渡って、惜しくもR9は譲ってしまったけれど、「ルノー道」の奥深さと難しさを教えてくれた、素晴らしい一台であったのは間違いない。

▲プレスリリースから。R9は1.4L・72PSのTSEの他に、1.1L・47.5PS、1.4L・60PSがあった。※
▲マイナーチェンジの後期型。ここまで来ると、もうルノーなんだかどうだかワケワカラン。※
SPEC
全長*全幅*全高:
4080*1650*1405・
ホイールベース:2480mm
車重:870キロ
エンジン:1397cc L4 OHV
最高出力:72ps/5750rpm

最大トルク:
10.8mkg/3500rpm
生産国:フランス
新車当時の価格:299.8万円
スペックは日本仕様
▲これがルノー11(R11=オンズ)。R9のハッチバック版である。同じように世界戦略車の使命を帯びて開発された。※
●写真は特記(※)以外はすべて本人撮影。
▲1978年、ルノーはアメリカでの拡販を狙い、AMCアメリカンモータースと業務提携。そしてアメリカでもR9は生産され、その名はAMCアライアンス。ここまでアメリカ〜ンな姿になるから面白い。※ ▲アメリカンなR11、アメリカ名AMCアンコール。アライアンスと同じく、AMCとの業務提携の末生まれたクルマ・・・。だが大方の想像通り、フランス車がアメリカで売れるはずもなく、1987年に提携は解消された。※
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